「集中力とは捨てる技術だ」とどこかで読んだことがある。
周囲の雑音をシャットアウトすることで自分だけの世界を作り出す。周りの些細な情報に対して未練を持たないのだ。そのような状況を作り出せる人は勝負事で本当に強い。小さなことまで気にしない、未練を持たない強さである。
だが、ずっと集中していては疲れる。肝心なのはいつどれだけ集中するかであろう。勝負の世界と、平和な日常という世界では捨てる量とタイミングが変わってくる。
これを分析する上で80対20の法則という面白い考え方を当てはめてみようと思う。この法則とは、レストランの売り上げの8割はお店に来る2割のお客さんから生み出されている、優先順位で上位2割の課題を終えれば仕事の8割は終わったと見なせる、ミツバチの中でよく働くのは全体の8割であり残り2割はさぼっている、空気中に占める酸素はおよそ20%である、携帯の連絡帳のなかでよく連絡する人は全体の2割など、なぜか8:2に分かれるシンプルかつ不思議な法則だ。別名マーフィーの法則と呼ばれる。これらは瞬間的な勝負の世界とは違う。平和な日常生活においての話だ。試験ではない日常生活においてはどう過ごすべきだろうか。
このルールでいけば一日は24時間あるが、その中で何かに集中する濃厚な時間というのは2割でいい、すなわち5時間弱ということになる。毎日5時間何かに向かってひたむきに頑張れば、後はのんびりしていいと。(置かれている環境によって個人差はあると思う。)そのように考えれば燃え尽きることもないのではないか。このブログも、読まれている記事はおそらく全体の2割だけであると私は勝手に予想している。では残り8割は不要なのかと言えばそうでもない。その8割があるから2割が輝くのだ。一見すると無駄に見える8割は上位2割を支えるために必要なのだ。「間」の大切さといえる。
勝負事では失敗したときにどうなるかといった邪念は完全に切り捨てるべきだが、勝負ではない平穏な日常においては8割に対して温かい目で見てやるくらいでちょうどいい。その8割がないと主役の2割がこないからだ。