語源と類義語で単語を定着させよう

英語学習者にとって語彙力増強は常に悩みの種です。新しい単語は対訳本、新聞、雑誌、洋書などで出会ってストーリーに絡ませて覚えていくしかないですが、すでに知っている単語をどうやって定着させるか、また、どうやって理解を深めるか、今回は語源と類義語の観点からご紹介したいと思います。理解を深めないと「知ってても使えない」という事態になってしまうのです。まずはおすすめは、政村秀實氏の「英語語義イメージ辞典」。

draftという語を聞くとどんなイメージを持つでしょうか。説明しにくい語ですが、引く(draw)が語源であると知ると一気に覚えやすくなります。

draftのルーツはdraw(引く)にある。
文字や線を引くからドラフトは「設計図」
樽から加熱殺菌してない生ビールを引き出すので「ドラフトビール」
野球は選手の意志とは無関係にくじ引きで入る球団を決めるのでドラフト
徴兵制も本人の意志とは無関係に引くのでドラフトになる。

このようにして覚えると一気に記憶に定着します。すべては「引く」に関係していました。

次にcraneについて。起重機やクレーンは「鶴」のような形をしているからcraneという。つまりクレーンゲームで親しまれているUFOキャッチャーは鶴キャッチャーなのでしょうか(汗)。

言われてみれば似ていなくもないが、ちょっと面白い。

今度は類義語について見ていきましょう。

類義語辞典といえば、Oxford Thesaurusがおすすめです。

英和辞典では解説されていない細かなニュアンスが詳しく書かれているのです。

たとえば、学習英和でguarantee, ensure, assure, insureと引いてもどれも「保証する」という訳語しか出てきません。しかしOxford Learner’s THESAURUSを引くと目からうろこが落ちます。

guaranteeは「会社が修理すること」を保証する。
ensureは「何かが起きること」を保証する。(厳密には確かなことにする)
assureは「人に大丈夫だと安心させる」保証。
insureは「保険をかけて金銭的に」保証する

どうでしょうか。一気に明解になりました。日本語の「保証する」では守備範囲が広すぎて何を保証するのかよくわからないのです。日本語はあいまいですが、欧米では「何を保証するのか?」と具体的な中身を気にします。文化の違いかもしれません。

次にdepend onrely onについて。学習英和を引いてもdepend onは「頼りにする」ことを表す最も一般的な語。rely onは期待してくれることをしてくれる、正しい判断をすると信頼し、「頼りにする」ことを表す語。とあります。これでは、違いがいまいち分からないです。

ここでOxford Learner’s THESAURUSを引くと、

depend onは誰かのsupportに頼るが、判断やアドバイスには使えない。rely onはアドバイスや約束をするときに使い、主語がyou canやyou shouldのときに専ら使う。
つまり、I don’t really rely on his judgement.とは言えないが、
You can’t really rely on his judgement.とはいえる

また、小西友七の英語基本動詞辞典では、

relyはこれまでの経験から期待を持って頼ってることが含意されるのに対して、dependは経験の有無によらず、支持、援助などを求めて頼ることを意味する。

このような説明があります。そして例文として、

He can be relied on to keep the secret.

I depended on the map, but it was wrong.

のように使うことができます。では英作で「私は毎朝、目覚ましに頼らないと起きることができない」という場合はどちらがいいでしょうか。

やはり経験上頼っているので、

I rely on the alarm to wake up every morning.とするのがベストです。

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